控除について

Q.税額控除には、主にどのようなものがありますか?

A.課税所得金額に税率を乗じて算出した所得税額より一定の金額を控除する制度を、税額控除といいます。
税額控除には、主に次のものがあります。

1.外国税額控除
 日本で課税される所得のうちに外国で発生した所得が存在し、その所得に対してその外国の法令に基づき所得税に当たる税金が課かされている場合に、一定額を差し引くものです。
 なお、この控除を受けるには、確定申告書の提出時に一定の書類を添えなければなりません。

2.配当控除
 総合課税の配当所得が存在する場合に、原則として、配当所得の金額の5%か10%に当たる金額を差し引くものです。
 ちなみに、申告分離課税を選んだ上場株式等に関わる配当所得に関しては、配当控除の適用はありません。

3.政党等寄附金特別控除
 政党か政治資金団体に対して政治活動に関わる一定の寄附金を払った場合、寄附金控除(所得控除)の適用を受ける場合以外に、一定額を差し引くものです。
なお、この控除を受けるには、確定申告書の提出時に一定の書類を添えなければなりません。

4.公益社団法人等寄附金特別控除
一定の寄附金のうちで次の法人に対するものにつき、寄附金控除(所得控除)の適用を受ける場合以外に、一定額を差し引くものです。
・公益社団法人及び公益財団法人
・学校法人等
・更生保護法人
・社会福祉法人
なお、この控除を受けるには、確定申告書の提出時に一定の書類を添えなければなりません。

5.認定NPO法人等寄附金特別控除
 認定NPO法人等に対して特定非営利活動に関わる事業に関連する一定の寄附金を払った場合、寄附金控除(所得控除)の適用を受ける場合以外に、一定額を差し引くものです。
なお、この控除を受けるには、確定申告書の提出時に一定の書類を添えなければなりません。

6.(特定増改築等)住宅借入金等特別控除
(1)住宅の新築、取得又は増改築等を行った場合
  一定の条件に該当する住宅の新築、取得又は増改築等(以下「取得等」といいます)を行った場合
に、その取得等に関わる住宅ローン等の年末残高の合計額に基づき算出した金額を一定期間差し引くものです。
なお、この控除を受けるには、確定申告書の提出時に一定の書類を添えなければなりません。給与所得者は、1年目に確定申告を行えば、2年目以後は年末調整でこの控除を受けられます。
(2)特定の増改築等を行った場合における特例
一定の条件に該当するバリアフリー改修工事か省エネ改修工事が含まれる増改築等(以下「特定の増改築等」といいます)を行った場合において、平成19年4月1日より平成29年12月31日(省エネ改修工事については平成20年4月1日より平成29年12月31日)までに居住用に使ったときに、特定の増改築等に関わる借入金等の年末残高の合計額に基づき算出した金額を5年間差し引くものです。この控除については、上記(1)との選択適用とされています。
なお、この控除を受けるには、確定申告書の提出時に一定の書類を添えなければなりません。給与所得者は、1年目に確定申告を行えば、2年目以後は年末調整でこの控除を受けられます。

7.住宅耐震改修特別控除
 平成18年4月1日より平成29年12月31日までに、自身が居住用に使っている家屋(昭和56年5月31日以前に建築された家屋で一定のもののみです)につき住宅耐震改修を行った場合に、一定の金額を差し引くものです。
なお、この控除を受けるには、確定申告書の提出時に一定の書類を添えなければなりません。

8.住宅特定改修特別税額控除
 一定の条件に該当するバリアフリー改修工事か省エネ改修工事を行った場合において、平成21年4月1日より平成29年12月31日までに居住用に使ったときに、一定の金額を差し引くものです。この控除については、上記7との選択適用とされています。
なお、この控除を受けるには、確定申告書の提出時に一定の書類を添えなければなりません。

9.認定住宅新築等特別税額控除
次のときに、標準的なかかり増し費用に基づき算出した金額を差し引くものです。この控除は、上記6との選択適用とされています。
・長期優良住宅の普及の促進に関する法律に定められた認定長期優良住宅に当たる家屋で一定のもの(以下「認定長期優良住宅」といいます)の新築か建築後使われたことのない認定長期優良住宅の取得を行った場合において、平成21年6月4日より平成29年12月31日までに居住用に使ったとき
・都市の低炭素化の普及の促進に関する法律に定められた低炭素建築物に当たる家屋で一定のものか同法の規定によって低炭素建築物として扱われる特定建築物に当たる家屋で一定のもの(以下「認定低炭素住宅」といいます)の新築か建築後使われたことのない認定低炭素住宅の取得を行った場合において、平成26年4月1日より平成29年12月31日までに居住用に使ったとき
 なお、この控除を受けるには、確定申告書の提出時に一定の書類を添えなければなりません。

10.試験研究をした場合の所得税額の特別控除
 試験研究をした場合における所得税額の特別控除として、次のものが存在します。
(1)試験研究費の総額に係る特別控除
(2)特別試験研究に係る税額控除制度
(3)中小企業技術基盤強化税制における税額控除
(4)試験研究費の額が増加した場合等の税額控除
 ちなみに、これらの制度のうちで試験研究費の額が増加した場合等の税額控除以外については、繰越税額控除限度超過額の繰越控除制度があります。

11.雇用者の数が増加した場合の所得税額の特別控除
 青色申告者で、本年と前年において離職者がいないことについて証された者が、平成24年より平成28年までの各々の年のうちで、基準雇用者数が5人以上(中小企業者であれば2人以上)であって基準雇用者割合が10%以上であることについて証され、かつ給与等支給額が比較給与等支給額以上である年分において一定の事業を行っている場合、40万円(平成24年より平成26年までは20万円)に基準雇用者数を乗じて算出した金額を差し引くものです。

12.雇用者給与等支給額が増えた場合の所得税額の特別控除
 青色申告者が、平成26年より平成30年までの各々の年に国内雇用者に対して給与等の支給を行う場合において、その給与等支給額が一定額以上増えたときに、一定の金額を差し引くものです。

13.特定中小企業者が経営改善設備を取得した場合の所得税額の特別控除
 一定の青色申告者である中小企業者が、平成25年4月1日より平成27年3月31日までに経営改善設備の取得等を行い、これを一定の事業に用いた場合において、特別償却の適用を受けないときに、一定の金額を差し引くものです。

14.中小企業者が機械等を取得した場合の所得税額の特別控除
 青色申告者である中小企業者が、平成10年6月1日より平成26年3月31日までに新品の特定機械装置等の取得等を行い、これを一定の事業に用いた場合か、産業競争力強化法の施行日(平成26年1月20日)より平成29年3月31日までに新品の特定生産性向上設備等の取得等を行い、これを一定の事業に用いた場合において、特別償却の適用を受けないときに、一定の金額を差し引くものです。

15.生産性向上設備等を取得した場合の所得税額の特別控除
 青色申告者が、産業競争力強化法の施行日より平成29年3月31日までに、特定生産性向上設備等の取得等を行い、これを事業に用いた場合において、特別償却の適用を受けないときに、一定の金額を差し引くものです。

16.エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の所得税額の特別控除(いわゆるグリーン投資減税)
 青色申告者が、平成23年6月30日より平成28年3月31日までに新品のエネルギー環境負荷低減推進設備等の取得等を行い、これを一定の事業に用いた場合において、特別償却の適用を受けないときに、一定の金額を差し引くものです。

17.国内の設備投資額が増加した場合の機械等の特別控除
 青色申告者が平成26年か平成27年に取得等を行った生産等資産でその年の12月31日において所有するものの取得価額を合算した額が、個人が所有する減価償却資産の償却額を上回り、かつ、比較取得資産総額の110%相当額を上回る場合において、その生産等資産のうち機械等を国内にある一定の事業に用いたときに、特別償却の適用を受けないのであれば、一定の金額を差し引くものです。

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