A.会社法においては、株式交換の場合に完全子会社の株主に対して完全親会社の親会社株式を、吸収分割の場合に分割会社に対して承継会社の親会社株式を、吸収合併の場合に消滅会社の株主に対して存続会社の親会社株式を、交付することができます。このことを、三角株式交換、三角合併等といいます。
通常、100%子会社が、他の会社を株式交換によって完全子会社にしたり、他の会社を吸収合併したりした場合は、その会社は100%子会社ではなくなってしまいます。しかし、三角株式交換や三角合併という手法を用いれば、完全親会社となる会社や存続会社は、100%子会社の関係を保ったままで、他の会社を完全子会社にしたり、他の会社を吸収合併したりすることが可能です。
なお、三角株式交換や三角合併を行うに際しては、完全親会社や承継会社、存続会社は事前に親会社株式を取得しておかなければなりません。子会社が親会社の株式を取得することは原則として禁止されていますが、会社法ではこのような組織再編行為をする場合においては例外的に親会社株式を取得することができるとされています。