A.内部統制とは、一般的に、経営目標が達成されているという合理的な保証を得るため、役職員全てにより業務が適切に遂行されるプロセスのことです。重要なのは、経営目標を達成するためということです。会社はさまざまな経営目標を掲げると思われますが、内部統制というのは、設定した経営目標が達成されているという合理的な保証を得るために、各々の役職員や従業員が業務を適切に遂行するプロセスであるといえます。
経営目標については、例えばROEを10%以上にする、売上高を30%増やす、利益を上げる、企業価値を上げる、純資産を増やすというようなことが挙げられます。このほか、コンプライアンスの遵守というのも、コンプライアンス違反により会社の存続が危うくなったというケースが近年では見受けられますので、重要な経営目標になり得ます。また、正しい財務諸表の作成も、財務諸表の虚偽表示という企業不祥事が起こったというケースがありますので、経営目標となります。そして、従業員の不正の未然防止、新聞等で会社の資産を従業員が使い込む事件が報じられていますので、会社の資産の保全という観点からも、不正への対応も経営目標となります。
以上の経営目標は、次に掲げる四つに大別することができます。
・業務の有効性と効率性
・コンプライアンス(法令遵守)
・財務報告の信頼性を確保すること
・会社の資産を保全すること