グループ会社を合併することで、次のような効果が期待できます。
1.会社経営上のメリット
会社経営上のメリットとして、次のことが考えらます。
・企業規模及び業界シェアの拡大
・グループ全体の財務体質の改善(債務超過の解消)
・事業を統合することによる経営効率の上昇
・重複経費の削減による利益改善
・グループ会社間における債権債務の解消
なお、合併の際には、合併後の経営管理の統一化という観点から、社員の給与体系・評価基準、各事業部の役割等について、事前の準備が必要とされます。
2.株式評価上のメリット
(1)会社規模の拡大による類似業種比準価額の採用
合併によって、株式評価上の会社規模の判定基準となる「総資産価額」・「従業員数」・「取引金額」
が各々アップすることが期待できます。したがって、純資産価額より一般的に低いとされる類似業種比準価額の採用が期待できます。なお、純資産価額が類似業種比準価額より低い場合には、純資産価額を採用できます。
ただし、合併の前後に会社実態に変化が見られると、類似業種比準価額を採用できない可能性もありますので、合併直後の株式の移転には留意する必要があります。
(2)業績不振会社や債務超過会社の吸収による利益の相殺又は純資産の減少
利益が上がらず業績不振の会社でも、以後の事業計画上、整理できない場合に合併するケースがあります。この際には、吸収される会社の利益と合併する会社の利益(所得)が相殺されますので、結果的に評価が低くなることがあります。
そして、債務超過会社を吸収するケースでも、同じく、合併によって両社の純資産額が相殺されることにより、株式の評価減が期待されます。
